英語力の差が年収格差の原因に - 年収相場と年収ランク
プレジデントファミリー2008年5月号に、「英語が喋れると、年収が高くなるのか?」という記事があり、英語という切り口で年収の違いを比較しています。ファミリー向けの雑誌なので、「子供にとって英語は将来必要か」という観点から書かれています。でも、転職者にとっても面白いデータが扱われています。この調査は、現在職に就いている人のうち、TOEIC760点以上レベルの「英語ができる人」を対象にしています。調査の結果、全国の30、40代の平均年収と比べると、男女いずれとも、英語ができるグループの平均年収のほうが、200万円程度高いことが分かりました。大卒者に限定した調査でも、同じ傾向になったようです。
・全国平均年収: 494.6万円 → 英語ができる人: 704.0万円
・大卒限定: 638.2円 → 英語ができる人: 711.2万円
この調査で注目したいのは、TOEICの点数別の年収差です。約1000人を対象にした小規模な調査(うち男性が6割)ながら、TOEICの点数と年収が比例している傾向がつかめます。
・TOEICのスコアと年収差:
| TOIEC点数 | 男性年収 | 女性年収 |
| 960-990点 | 891.3 | 647.1 |
| 900-960点未満 | 939.6 | 475.4 |
| 860-900点未満 | 930.4 | 517.9 |
| 800-860点未満 | 854.9 | 494.7 |
| 760-800点未満 | 855.6 | 494.1 |
| 760点未満 | 720.1 | 439.4 |
(プレジデントファミリー2008年5月号に、「英語が喋れると、年収が高くなるのか?」記事より)
同調査における「英語を使う仕事内容」の比較を見ると、「社内でのやりとり」で英語が使われるだけの場合でも年収がとても高いことが分かります。確かに、日本で英語が必要とされる状況を考えると、社内の打ち合わせや英語メールの作成、英語文章の読解がほとんどだと思います。お客さんへの英語プレゼンや、英語での交渉など、高度な英語力を必要とされるケースは稀だと言えます。そもそも、それほど高度な英語レベルは必要とされていない場合が多いのです。それなのに、英語が得意かどうかだけで、年収格差が開いてしまっていることが分かります。これは日本特有の現象ではないかと考えます。
ヨーロッパ、アジアなどに出張し、さまざまな英語圏以外の国の人と仕事をする機会があったのですが、どの国の人も英語を上手に話していました。上手と思った一番の原因は、躊躇することなく英語をしゃべり続けていたからです。日本人が英語をしゃべると、言葉につまったり、「あー」とか「えー」とかと考え込んでしまうことがよくあります。日本人は文法が間違っていないかとか、この単語は正しい使われ方をしているかなど、発言する前にいろいろ考えて慎重になりすぎる傾向があります。間違いに対する恐怖心や恥ずかしさが優先して、「間違えるぐらいならなるべく発言しない」という傾向もあると思います。一方、他国の人は間違いを恐れない分、独自の強い「なまり」は直そうとしないですし、文法的な間違いにも無頓着な場合が多いと感じます。
日本人は英語に対して「慎重になりすぎる」傾向があるために、いつまでたっても英語力が全体的に向上していかないのだと思います。逆にそのような傾向のおかげで、英語力が貴重な存在として扱われ、年収の格差を広げるチャンスにもなっていると思われます。様々な企業や様々な職種に英語の必要性が広がりつつあるので、しばらくの間は英語力が効果的な武器になり続けるはずです。
(更新日: 2008年07月07日)
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