アメリカのヘッドハンティング事情  アメリカのヘッドハンティング事情 - 人材紹介の仕組みと種類

 アメリカには6000ものヘッドハンティング企業があり、「Contingency」タイプと「Retainer」タイプの2種類が存在します。「Contingency」は、日本の登録型人材紹介会社のように、紹介した人材が採用にまで至った際に、企業から contingency commission(成功報酬)が支払われるタイプです。「Retainer」の方は、ヘッドハンティングが必要なポジションごとに、企業から retainer(専門家によるコンサルティング料金)が支払われます。「Contingency」が対象とするのは、年収75,000ドル(900万円)~150,000ドル(1800万円)ほどの候補者です。「Retainer」の方は、年収150,000ドル(1800万円)以上のエグゼクティブクラスを対象にしています。日本では年収400、500万円程度の候補者でも人材紹介が活発に行われていますが、アメリカのヘッドハンティング企業はいずれにしても年収1000万円程度からを対象とするようです。

 「Retainer」のヘッドハンターは、企業にとって信頼されたパートナーのような位置づけです。CEOをはじめとしたエグゼクティブのサーチに特化し、常に有望な候補者ネットワークを築いています。世界的に有名なヘッドハンティング企業としては、コーンフェリー、ラッセルレイノルズ、ハイドリック&ストラグルズ、スペンサースチュアート、エゴンゼンダーなどが知られています。これらの企業には沢山の履歴書が送られてくるようですが、ほとんどすべてゴミ箱行きだそうです。ヘッドハンティング企業は人材のデータベースを作り上げる際に、他の候補者からの推薦や評判を重んじます。各企業におけるキーパーソンやベストパフォーマーが誰かを常に調査して、将来有望な候補者ネットワークを作り上げていきます。そのため、履歴書を送付したり一度面談しただけなどでは候補者として扱ってもらえず、どちらかというと、会社内での評判を高めて上司や同僚に推薦してもらえるようになる方が重要のようです。

 CEO候補を選定するときは、行動面接(behavioral interviewing technique)などを使って、表面的な経歴だけでなく、どんな人格なのかを見極めようとするそうです。これまでどんな失敗をしてきてどう学んだかや、部下たちとどう付き合ってきたかなどを見抜き、本当に資質のある候補者を選び出そうとします。CEOを選ぶ立場にあるヘッドハンターは、アメリカではとても地位の高い仕事です。それでもエグゼクティブの中には、ヘッドハンターと駆け引きしようとしたり、経歴を大げさに言ったり、面談にまったく準備してこなかったりする人もいるようです。へッドハンターと信頼の関係が築けるようになることが、アメリカのエグゼクティブにとっては重要なようです。(以上の情報ソース:BusinessWeek podcast - Climbing the Ladder "Executive Headhunters")

 もう一つ豆知識として、梅森浩一著『「サラリー」論。-給料のしくみと所得倍増の法則』に書かれていたのですが、アメリカでヘッドハンターが生まれた理由として、アメリカの国土の広さをあげています。例えばニューヨークとロサンゼルスの間だと、意外と人材の交流が無く、それを取り持つヘッドハンターが必要になったとしています。アメリカには巨大な人材マーケットがあるため、職業やポジションごとのマーケットプライス(市場価格)ができあがり、大きな目で見ると、そのマーケットプライスと実収入との差異などから人材の流動が起こっているのです。

(更新日: 2007年03月15日)




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