若手につけを払わせる大企業の出世の実態 - 外資系企業の見分け方
これまで年収に関する記事を読んだ中で最も面白く赤裸々だったのは、雑誌プレジデントの2006年7月31日号「激変!出世の法則」というタイトルの記事です。『企業ミシュラン』の著者でジャーナリストの渡邉正裕さんが、企業の広報を通さずに直接人材にコンタクトし、企業のリアルな内情を聞き出しています。
NTTやホンダ、キャノン、JTBなど一流企業の社員を取材し、出世と年収について徹底的に調査しています。とくに20代、30代の人にインタビューを実行しているのですが、その世代は誰もが世代間の格差に憤りを感じており、不公平感を強く感じているようです。とりわけ一流企業と呼ばれる日本の企業では、何をやっているか分からないような「あがり」を待っているだけの高給取りの50代の部長や課長がいる一方で、若い人には成果主義が押し付けられ、どんどん出世や年収アップが難しくなっているようです。あのような部長や課長のようになりたくないと思ったり、社内の出世が難しいことを悟った若手社員たちは、起業をしたり外資系へ転職したりする傾向が強くなっているようです。
記事では、日産自動車、シャープ、三井物産、アサヒビール、みずほ銀行、日本生命、日本航空、NTT東日本、ダイエー、ゴールドマンサックス証券、アクセンチュア、日本オラクル、楽天、近畿日本ツーリストを取り上げ、具体的な昇進ごとのタイトルやタイトルに到達する年齢と人数の割合、タイトルごとの年収額、労働組合と出世の関係についてなどが書かれています。出世の内部事情がすっきりするほど明確に書かれています。
みずほ銀行を例に取ると、平均年収が683万円、平均年齢が37.1歳、平均勤続年数が15.4年で、昇進は以下のように書かれています。
↓[役なし] 年収目安:450万円~650万円。
↓[調査役(課長代理)] 年収目安:800万円。8年目での昇格は同期の3割強。同期の大半が到達。30~31歳ぐらいから。
↓[調査役:(課長)] 年収目安:1000万円。同期の半数ぐらいが到達。35~36歳ぐらいから。
↓[参事役(次長・副支店長・支店長)] 年収目安:1200万円~1500万円。ここからは管理職。38歳~39歳ぐらいから。
↓[審議役(支店長・部長・執行役員)] 年収目安:1700万円。
[取締役]
また、50代店長でも800万円で頭打ちのダイエーの横には、30歳代後半の稼ぎが1億円を突破する外資系金融会社のゴールドマンサックスが載っており、同じ日本人が働いているとは思えない格差の開きぶりを感じました。ゴールドマンサックスでは、30歳時点ではタイトルは「アソシエイト」がほとんどで、3000千万~4000千万が平均年収だそうです。その上のVP(ヴァイスプレジデント)、MD(マネージングディレクター)になってくると、1億円超の稼ぎが当たり前の世界になってくるようです。また、さらに上のPMD(パートナー)は10人ぐらいしかおらず、納税者番付に名前が載る世界だそうです。なお、その上が取締役です。
記事に書かれているように、会社ごとに違う出世の法則を理解しないままに会社を選択したり、続けたりしても意味がないということには共感します。これらの事実を知っておくことで、出世のチャンスを逃さずにつかめるかもしれませんし、事実が納得のいくものでなければ、手遅れになる前に起業や転職などの対策を講じることができます。
私は新卒入社した会社の出世の法則をほとんど把握していませんでした。でも、大企業のその会社では、古い世代が優遇されており、業績悪化のつけが若い社員に「成果主義」を言い訳に押し付けられていて、世代間の年収差として表れていたことには不公平感をなんとなく感じていました。でも、「成果主義」が偽者であることに気づくことは、1社しか経験していない新卒入社の企業では無理なことだったのかもしれません。
(更新日: 2007年04月22日)
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