外資系で文化の違いを知る  外資系で文化の違いを知る - 外資系企業の見分け方

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 以前、ヨーロッパの企業にシステムを導入するプロジェクトに参加したことがありました。プロジェクトの参加者は、フランス、イギリス、ドイツ、スイス、日本などにまたがっており、時差を気にしながらコンタクトを取り合ったり、毎日夕方にヨーロッパと日本の間で電話会議をするなど、国際的なプロジェクトでした。ところがプロジェクトもリリース時期に入った頃、最後のテストで問題が多数見つかり、リリース日を何度も延期することになりました。そのような危機的な状態になると、日本とヨーロッパの間で、感覚の差がはっきりと出てくることが分かりました。

 日本でプロジェクトが遅延すると大変シリアスな問題になります。でも、ヨーロッパ側のユーザーはいつまでたっても冷静でした。電話会議でも子供の泣き声が聞こえてきたり、犬の鳴き声が聞こえてきたり、焦っている様子はまったくありませんでした。さらに、不完全なシステムをリリースしようとして遅延の原因になったヨーロッパの中心的な開発者が、バケーションの予定が入っている言い出し、リリース前にプロジェクトを放棄してしまいました。それでもユーザーは、代理がいれば問題ないとして、あっさりとバケーションを容認したのです。

 そのときから、日本人は真剣に仕事をしすぎているのではないかと思うようになりました。日本人は世界一残業する国民であることが知られています。また、バケーションという意味では、平均有給休暇取得日数も、他の先進国と比べると圧倒的に少ないです。しかしながら、日本人の国民あたりの生産性は決して高くはありません。1ヶ月も休暇を取り、残業もほとんどせずゆったりと暮らしているヨーロッパの国々と比べて生産性が低いのは、とても悲しい事実です。生産性に結びつかない無駄なところに一生懸命労力をかけている日本人の様子が浮かび上がってきます。

 外資系企業で働くと、このような文化の違いを直接肌で感じる機会もあるかもしれません。日本の常識にとらわれていたことを知るよいきっかけになります。外資系企業にはアメリカ系が多いですが、文化の違いをより強く感じるという意味ではヨーロッパ系の企業に勤めるのもよいかもしれません。イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、オランダなど、様々な国の外資系企業があります。でも、ヨーロッパ系の外資系企業に入っても、日本で働いている限りはヨーロッパのように1ヶ月も夏休みが取れないのは残念なことです。


データ1.年間平均 労働時間
厚生労働省 日本及び諸外国の労働時間等に関するデータ より。2003年度)

日本1975時間*
アメリカ1929時間
イギリス1888時間
フランス1538時間
ドイツ1525時間

* 数字に残らないサービス残業を含めると2200時間以上になるといわれている。また、バブル崩壊後パートやアルバイトなど短期労働者が増えたので平均を実質より押し下げているとも言われる。


データ2.年間平均 有給休暇取得日数
厚生労働省 日本及び諸外国の労働時間等に関するデータ より。2003年度)

日本8.5日*
アメリカ13.1日
イギリス25.0日
フランス25.0日
ドイツ31.2日

* 昨年2007年度の正社員が1年間に取得した有給休暇取得率は過去最低の46.6%となった。平均付与日数は17.7日、取得日数は8.3日。(R25 有給休暇はどうすれば消化できる?
* 日本は法定の国民の休日は他国に比べて多い。有給休暇取得日数の低さを下支えしている感がある。ただ、ヨーロッパのようにまとまった数週間から1ヶ月の休暇はとりにくい。日本では転職する時ぐらいしかまとまった休暇が取れない。


データ3.国民あたりの生産性(USドル)
Wikipedia List of countries by GDP (nominal) per capita より。2007年度)

1ルクセンブルク104,673
2ノルウェー83,922
3カタール72,849
4アイスランド63,830
5アイルランド59,924
6スイス58,084
7デンマーク57,261
8スゥエーデン49,655
9フィンランド46,602
10オランダ46,261
11アメリカ45,845
12イギリス45,575
13オーストリア45,181
14カナダ43,485
15オーストラリア43,312
16アラブ首長国連邦42,934
17ベルギー42,557
18フランス41,511
19ドイツ40,415
20イタリア35,872
21シンガポール35,163
22*日本34,312
23クウェート33,634
24ブルネイ32,167
25スペイン32,067

* 物価など購買力も考慮した場合(PPP)も日本は22位(List of countries by GDP (PPP) per capita

(更新日: 2008年09月02日)




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