転職の役に立つIT系の資格は?  転職の役に立つIT系の資格は? - 肩書きと転職

 IT系の資格として日本一有名な「情報処理技術者試験」が2008年秋から刷新されます。これまでも何度か資格体系が変わってきましたが、今回の改訂はかなり大幅なようです。スキルの習熟度を柔道などの「段」のような感じで7段階に分けて評価しするのが特徴です。これは、経済産業省が定めたITスキルの共通フレームワークであるITSS(ITスキル基準)に従ったものです。以下のようにレベル分けされており、これまで以上に実務経験が重視された内容になっています。

レベル1: エントリ試験(ITパスポート試験)
レベル2: 基本情報技術者試験(旧二種)
レベル3: 応用情報技術者試験(旧ソフトウエア開発技術者試験、旧一種)
レベル4: 各種上級試験(旧テクニカルエンジニアなどの上級試験。試験の合否と「業務経験」が判定に利用される)
レベル5~7: 面接と業務経験により判定される

 まだあいまいさが残っていた情報処理技術者試験のレベル分けがより明確になりそうです。IT技術者にとっては、専門分野や自分のレベルが資格と結びついて明確化し、給与相場とも結びついて、よりオープンな評価基準が実現するといえるかもしれません。実力のある技術者にとっては転職もしやすくなりますし、年収も上げやすくなると思われます。ただ、この資格は元々オラクルやシスコなどのベンダー資格とは違ってグローバルに対応した資格ではないため、外資系企業にとってどれだけ効果があるかは疑問です。また、レベル4以上は業務経験や面接などが評価に入ってくるので、評価基準のあいまいさの要素が抜け切れず、どれだけ信頼性のあるレベルになるかは疑問です。

 でも、日本のIT業界で働く限りは、情報処理技術者試験はこれからも有効な資格だと言えます。企業に対する2007年度の「技術者に取らせたい資格」の調査では、情報処理技術者試験がトップを占めており、逆にベンダー系の資格はトップ資格にランクインすらされていないようです。この調査は企業の人材開発担当者に対して行ったもので、もし採用担当に対して行ったものであれば、オラクルやシスコなどの即戦力になるベンダー系資格がより評価されていたかもしれません。企業が選んだトップ5のIT資格は以下です。(「2008年版「いる資格,いらない資格」」参照)

1.情報処理技術者試験プロジェクトマネージャ
2.情報処理技術者テクニカルエンジニア(ネットワーク)
3.PMP
4.情報処理技術者システムアナリスト
5.情報処理技術者テクニカルエンジニア(データベース)

 今回の調査に関してはPMPやITC(ITコーディネーター)などのこれまで人気の高かった資格が、急に順位を落としているのが特徴のようです。情報処理技術者試験系が5000円程度で取得できるのに対しPMPやITCは大変高価で、長期的に見た費用対効果に疑問を持つ企業が増えてきたのが原因だとされています。例えばITCは52万5千円の講習を受ける必要があり、さらに2万1千円の試験を受けるだけでなく、合格しても3年ごとに資格を更新する必要があります。同じ知識が身につくのであれば、費用がかからないほうがよいに決まっています。

 ちなみに、ベンダー系の資格に関して人気のトップ5は以下になっています。マイクロソフト系の開発者向け資格も.NETの開発案件の増加と共に伸びを示しているようです。いずれにしても、オラクルやシスコはユーザーも多く、これらの技術を知っているとそのまま即戦力となるため人気の高さは健在のようです。

1.Oracle Master Platinum
2.シスコ技術者認定エキスパート(CCIE)
3.Oracle Master Gold
4.シスコ技術者認定資格プロフェッショナル
5.マイクロソフト認定システムエンジニア

 また、IT系の各職種における平均ITスキルレベルを測った調査もあります。年収の高い職種ほどITスキルレベルの平均値も高いことが分かります。(「スキルレベルの平均は2.9,職種によって年収に大きな差」参照)

コンサルタント:3.5
プロジェクトマネージメント:3.5
ITアーキテクト:3.2
ITスペシャリスト:2.7
アプリケーションスペシャリスト:2.7
ソフトウエアデベロップメント:2.5
ITサービスマネージメント:2.2
オペレーション:2.0

 さらに、ITスキルレベルと「やりがい」の関係を調べた調査もあります(スキルレベルやプロジェクト内容,働く環境で「やりがい」に差)。それによると、スキルレベルが高いほどやりがいを強く感じているという結果になったそうです。そして、労働時間が長いほうが、逆にやりがいを感じる度が増すようです。さらに、「スキル向上への実感」もやりがいにつながっているそうです。労働時間が長くても、スキルが向上している実感があり、実際にスキルレベルが高くなっていくほどやりがいを感じるという好循環が生まれているようです。逆を言えば、特にエントリーレベルの人が、レベルの高い仕事を任せてもらえず、時間はあるがスキルも上がらずやりがいを感じないという悪循環に陥る可能性もあります。若い人は、そのような悪循環に陥らないように資格でレベルアップするか、レベルアップするチャンスを社内や転職先で見つけることが大切なようです。


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  2008年版「いる資格,いらない資格」
  スキルレベルの平均は2.9,職種によって年収に大きな差
  スキルレベルやプロジェクト内容,働く環境で「やりがい」に差

(更新日: 2008年04月03日)




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