やっぱり本音は給与への不満  やっぱり本音は給与への不満 - データに見る転職の実際

Share |

 会社を辞める理由のナンバー1が給与への不満であることが、「若年者の転職に関する意識と実態」の調査で分かりました。「直前の勤務先を辞めた理由」のアンケートでは、「給与が良くない」が32.4%とトップで、「仕事にやりがいを感じない」が28.7%、「残業が多い」が20.8%と続きました。転職した同僚に給与アップの聞いたり、人材紹介会社に市場価値を評価してもらったりすることで、「給与が良くない」という意識を持つのかもしれません。実際に、「転職で収入増 最高の35.3%」という記事では、集計を始めた2002年以降ずっと「転職によって収入が減った人」より「転職によって収入が増えた人」のほうが上回っており、今年は過去最高になったことを伝えています。このような現在の転職市場の状況も、「給与が良くない」と感じさせる理由なのかもしれません。

 一方、同じ「若年者の転職に関する意識と実態」の調査による、「現在の勤務先選択で重視したこと」のアンケートでは、「仕事内容」が83.5%とトップで、続いて「勤務地」が57.5%、「給与」が56.5%となっています。会社を辞める理由が「給与」だったのに、現在の勤務先を選んだ理由は「仕事内容」で、「給与」は3位に落ちています。結局、思ったほど給与の良い仕事が見つからず妥協したのか分かりませんが、「会社を辞める理由」と「会社を選択する理由」にギャップがあることが分かります。転職をする際に、まず会社を辞める原動力となるのが「給与への不満」であり、次に会社を選択する理由となるのが「仕事内容」と2段ステップを踏んでいます。恐らく、「給与」を最低条件に仕事を探し始め、その条件をクリアした中から「仕事内容」の選別に入るのではないかと思います。このことから、会社の給与の高さというのは、最低限の不満解消を満たすもので、モチベーションを上げる効果というよりも、モチベーションを下げないためのディフェンス戦略だと言えます。給与は不満のもとにはなりえますが、満足にはそれほど結びつかないのかもしれません

 では、具体的にどれだけ給与がアップすれば満足するのかという答えとして、「年収100万円から200万円」という答えが多いようです。「ビジネスパーソンの3割超があと200万円足りない」の記事では、リサーチの結果「100~200万円未満」の年収アップを希望する人が最も多かったとしています。特に女性より男性の方がより高い年収アップを求めているようです。また、管理職は「200万円以上」年収アップ希望が47.8%で、役員では「200万円以上」が79.0%になり、役職が上がるほど高額の年収アップを希望する傾向が強くなっています。

 また、別の調査結果として、「20・30代の転職者、給与より企業が保有する技術を重視」では、「IT業界で、給料が高そうな企業」というアンケートと「IT業界外で、給料が高そうな企業」のアンケートを行っています。いずれの結果も、「給料が高そうな企業」は、給料が本当に高い企業とは一致していないという結果が出ています(年収の実態については、30歳のモデル年収(企業別)若手につけを払わせる大企業の出世の実態 を参照)。年収が高いイメージがあっても、実際にはそれほど高くない企業も多くランクインしています。年収を本気で上げたいのなら、実際の年収を調査する必要がありそうです。

 また、「勤務地」も仕事の選択において重視されていることが面白いです。「若年者の転職に関する意識と実態」の調査に戻って、「現在の勤務先選択で重視したこと」のアンケートでは2位、「今後転職する場合の勤務先選択で最も重視すること」では4位に「勤務地」選ばれています。地方への転勤がいやだとか、住み慣れた場所がよいという意図もあるでしょうが、面接でオフィスに行ってみると、立派なビルやおしゃれな街の雰囲気に惹かれたということもあるのではないでしょうか。ミッドタウンにあるコナミや富士フィルム、六本木ヒルズのゴールドマンサックスやヤフーなどは有利かもしれません。私自身も面接時に訪れた汐留近辺の雰囲気を気に入ったことが、今の会社を選択した大きな理由の一つでした。

(更新日: 2007年11月03日)







トラックバックURL: