不況時代の転職市場  不況時代の転職市場 - データに見る転職の実際

当サイトが始まった2007年1月は、今から考えると景気がよく、転職市場も活発でした。転職セミナーや人材紹介会社の広告を電車の中や町でよく見かけました。このような転職ブームは、最近少し落ち着いたように感じます。現在の世界的不況がこれらの傾向の一因となっていることは、簡単に想像することができます。

それでは、不況によって求人数が劇的に減ってしまったのでしょうか。個人的な実感としては、それほど変化がないように思います。現在使用している「毎週自動的にマッチする求人をメールで送ってくれるサービス」で配信された求人の一覧を見ていても、少なくともIT系に関しては、特に求人に対する変化は感じられません。むしろ好条件の求人が増えているようにも思われます

しかし、実際には、見えないところで採用のハードルがあがっている可能性があります。エンジニアに関してですが、人材バンクネットの記事「エンジニアの転職市場動向と今後の予測 2008-2009」には以下のように書かれています。

エンジニアの求人件数は、2004年ごろから増加し始め、2006、7年には売り手市場になり、2008年上半期まではその状況を維持していました。ところが、アメリカのサブプライム問題の影響で北米の市況感が厳しくなり始めた8月前後から、求人をストップするわけではないけれど少し採用のハードルを上げて行くという傾向が徐々に大手企業を中心に現れました。

そして、9月のリーマンショック以降、10月から求人をストップするという具体的なアクションをとる企業が出始め、4月の新卒採用も控えている状況から、現在採用にブレーキがかかった状態になっている企業が、自動車関連を中心に増えているとしています。

ただ、業界単位、企業単位で見れば、この不況下でも元気で積極的に採用活動を行っている企業もあります。この記事にも書かれているように、「優秀なエンジニアは不況の逆境下でも売り手市場」であることは間違いありません。特に外資系企業から見ると、これから日本市場に業務を拡大していこうとしている企業にとっては、優秀な人材は常に足りない状況と思われます。私が好条件の求人がむしろ多くなったと感じたのは、それらの企業の求人が無くならないからかもしれません。でも、実際に採用検討プロセスに入ると、以前より企業側は慎重に、そして厳しい目で転職者を判断しようとするかもしれません。どの企業も不況下で、無駄を無くそうと努力しているからです。

また、転職者の側も慎重になっている傾向があるように感じます。「年収のダウン、7割が「50万円未満」なら耐えられる――NTT データ経営研究所調べ」で推測されているように、現在の仕事に満足している人が多い傾向にあるのは、リストラによる雇用不安が増えている中、雇用が確保されている状況だけで満足できる人が増えているからのようです。さらに、転職を考える理由に関しても、「会社の将来に不安を感じた時」など、積極的とは言えない身を守るための保守的な理由が多数を占めている状況のようです。

でも不況だからといって、年収アップ、キャリアアップを狙ったポジティブな転職ができないということではないはずです。「年収500万円台と2000万円以上の人、スキマ時間の使い方に違い」にもあるように、実際に年収アップ、キャリアアップする人は、普段から仕事熱心であったり、自己投資をしている人かもしれません。さらに格差が開いていく時代になったと言えるのかもしれません。

(更新日: 2009年03月23日)




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